マンディンゴ〜冒頭に流れるマディ・ウォーターズのブルーズと南部の風景

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TAP the SCENEでは、これまで黒人たちの悲しみや怒り、苦悩や誇りを描いた映画を多数取り上げてきた。例えば『マルコムX』『ネルソン・マンデラ』『アリ』は人種差別と闘う若き指導者/ヒーローたちの壮絶な生き方が貫かれ、『バード』『Ray/レイ』『ジェームス・ブラウン/最高のソウルを持つ男』といったミュージシャンの伝記映画には黒人差別が拭い切れない影のようにつきまとっていた。
また、『夜の大捜査線』『グリーンブック』『カラーパープル』『ドリーム』などのヒューマンドラマでは白人社会の中で声を上げる黒人の姿が描かれ、70年代のブラックスプロイテーション『スーパーフライ』『黒いジャガー』では黒人が主役となって白人社会の腐敗に切り込んだ。
その流れはジャマイカ映画『ハーダー・ゼイ・カム』『ロッカーズ』のような白人権力者たちの搾取との闘い、あるいは90年代のブラックムービー『ドゥ・ザ・ライト・シング』『ニュー・ジャック・シティ』『ボーイズン・ザ・フッド』へと継承され、『カラーズ/天使の消えた街』『ストレイト・アウタ・コンプトン』といったヒップホップ/ギャング映画にも同じ血が流れる。
そうした中で今回は『マンディンゴ』(Mandingo/1975)を新たなラインナップに加えたい。物語の舞台は南北戦争が起こる約20年前、1840年頃の南部ルイジアナ州の広大な農園屋敷。黒人が労働力のために“奴隷”として“売買”されていた信じられない時代だ。資料によると、南北戦争直前の奴隷人口は400万人。大農園主は子供から老人まで20人以上の黒人を“所有”し、綿花畑での過酷な労働や雑用を強制していた。
マンディンゴとは“最高種”として高価取引された、優れた身体能力とタフな体格を持つ戦闘用の奴隷のこと。白人の賭博と悦楽のためだけに黒人同士を闘わせ、どちらかが死ぬまで続けられるという悲惨極まりない衝撃が描かれる。
一方で農園の後継である息子は黒人娘しか愛せず、嫉妬に狂った白人妻は腹いせにマンディンゴとの子供を産む。没落する南部の白人貴族。そして覚醒し始める黒人たち。この映画のラストはそれを象徴し、来るべき南北戦争を示唆する。
原作は1957年に発表されたカイル・オンストットの同名小説。大きな反響を呼んだ大ベストセラーの映画化。公開当時はその鬼畜ぶりが酷評されたようだが、この映画にインスパイアされたのがタランティーノ。
自作『ジャンゴ 繋がれざる者』でマンディンゴ・ファイティングのシーンをサンプリング。クライマックスでは黒人ヒーローが自分たちを虫けらのように扱った屋敷の白人たちを次々と始末して、歴史を書き換えたのは記憶に新しい。
なお、映画ではマディ・ウォーターズが冒頭に流れる。ブルーズの深さと原風景を見た。
マディ・ウォーターズのブルーズが流れるオープニング。



DVD『マンディンゴ』

DVD『マンディンゴ』

*日本公開時チラシ


参考・引用/『マンディンゴ』パンフレット
評論はしない。大切な人に好きな映画について話したい。この機会にぜひお読みください!
名作映画の“あの場面”で流れる“あの曲”を発掘する『TAP the SCENE』のバックナンバーはこちらから

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