キャロル・キングとジェリー・ゴフィン〜運命の糸に引き寄せられた二人の出会い

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キャロル・キングとジェリー・ゴフィンと言えば…
夫婦として、そして作曲家・作詞家として「Will You Love Me Tomorrow」や「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」などの名曲を生み出し、その後も全米チャートに多くの作品を送り込んだ名コンビである。
キャロル・キングにとってジェリー・ゴフィンは初恋の人だったという。

「1958年の秋、私は16歳でジェリーは19歳。彼は私が通う大学の夜間学生だった。私は昼の一般コースだったから、お互いのスケジュールが重なることはほとんどなかった。ある日の午後、友人のドロシーと学生会館で試験勉強をしている時、私はひどい生理痛に悩まされ勉強に集中できずにいた。そしてちょうど教科書を片付けているところにドアが開いてジェリーが入ってきたの。その瞬間心臓が止まったわ!」


その頃、彼女は財布の中に一枚のイラストの切り抜きを忍ばせていた。
それは一年前に雑誌のページで見つけた彼女の“理想の男性像”だった。
黒髪で黒い瞳の若い男性…
ドアから入ってきたジェリーは、まさにイラストの男性そのものだったという。
ジェリーはブルックリン実業高等学校 (Brooklyn Technical High School) を卒業後、徴兵されてアメリカ海兵隊予備役に編入している。
海軍兵学校で1年間学んだが…その後は海軍を辞め、ニューヨーク市立大学クイーンズ校(夜間部)に入学して化学を専攻していた。

「心臓が再び動き出すや否や、もう一つビックリすることが起きたの!友人のドロシーがジェリーと知り合いだというの。ドロシーは彼に手を振って呼び寄せ、私を紹介して、私の体調が良くないことを伝えた。すると彼は家まで車で送ってくれると言ってくれたの。」


カーラジオからはジャズが流れ、会話は自然と音楽の話題に。
二人には共通の“好み”があった。
それは、ジャズと舞台音楽。
彼は、つい最近ミュージカルの脚本と歌詞を手がけたことを打ち明けた。

「その歌詞に曲をつけてくれる人がいれば、ブロードウェイのプロデューサーに作品を持ち込んで、9時から5時までの一般職に就かなくてもいいほど金儲けをする夢が叶うんだけどね…」


ジェリーは続けざまにこんなことを切り出した。

「実はね、アトランティックがミッキー&シルヴィアに歌わせる曲を探しているんだ!その曲を一緒に作ってみない?」


キャロルが唖然としている間に車は彼女の自宅に到着した。
半ば強引に母に紹介されたジェリーは、彼女の自宅の居間に通された。
二人はソファーに座って早速曲のアイディアを出し合った。
そして…わずか30分でゴフィン&キャロルにとって初の作品が完成したのだ。
それはまるで見えないチカラによって引き寄せられたかのような運命の出会いだった。
二人にとって初めての共同作品「The Kid Brother」がもたらした収入は、期待ほどではなかった。
レコーディング直前にミッキー&シルヴィアは解散し、ミッキーは新パートナーのキティ・ノーブルとこの曲を歌った。


「私たちの作品がミッキー・ベイカーにレコーディングしてもらえただけでも成功だったとも思うわ。その後、意気投合した私たちは次々と曲を書くうちに、一曲に対して前金25ドルをもらえるまでに成長していったの。その金額は音楽出版社にとっては小銭でも、その頃の私たちにとっては大金だった。」


二人は会っている時間のほとんどを作品作りに費やしていたが、共同作品が増えていくと同時に男女としての仲も深めていった。
1959年の夏、二人は結婚をした。
新居はキャロルが幼年期を過ごしたブルックリンの実家からわずか1ブロック先にあるベッド・フォードアヴェニューにあるワンルームのアパートだった。
ジェリーはブルックリンのダウンタウンで科学者としての職に就いた。
キャロルはマンハッタンにある工業用煙突製造会社で秘書として働いた。
二人はそれぞれに仕事を終え、帰宅して夕食をすませると、毎晩のように作品作りに没頭した。



1960年、4人組の黒人女性グループ、ザ・シュレルズに「Will You Still Love Me Tomorrow」を提供。
同曲は翌1961年1月にBillboard Hot 100の首位を獲得し、二人にとって初のヒットとなる。
その後、スティーブ・ローレンスとダニー・オズモンドが歌った「Go Away Little Girl」が、1962年と1971年の各バージョンが共に1位を記録。
ザ・モンキーズが歌った「Pleasant Valley Sunday」もビルボード全米3位まで上昇するなど、二人は次々とヒット曲を作り続ける。
ボビー・ヴィーの「Take Good Care of My Baby(サヨナラ・ベイビー)」、リトル・エヴァのヒット曲で、後にグランド・ファンクやカイリー・ミノーグもカヴァーした「The Loco-Motion」、アレサ・フランクリンの「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」なども“キャロル×ジェリー”コンビによる代表作として知られている。
そんな二人は1968年に離婚をしてしまうが…その後もしばらくは共同での曲作りは続けられてゆく…
<引用元・参考文献『キャロル・キング自伝』キャロル・キング(著)松田ようこ(翻訳)/河出書房新社>
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