ブルース・ブラザース2000〜超豪華メンバーがノーギャラで参加した18年ぶりの続編
ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが中心となって結成されたブルース・ブラザースが、旅を原点としてライヴやTV番組から始まり、やがてレコードや映画へと広がりを見せたことは、コラム「ジョン・ベルーシとダン・エイクロイド〜旅と悲しみから生まれたブルース・ブラザースの絆」や「ブルース・ブラザース〜33歳で逝った伝説のジョン・ベルーシ」でも紹介した通り。
1982年3月。ジョン・ベルーシの死によって、ブルース・ブラザースはブルースの伝道師的役割を終える。アメリカでは軟派なディスコ一辺倒の時代に、硬派なブルースを復活させた彼らの功績はあまりにも大きかった。彼らと入れ替わるように音楽シーンはMTVが全盛期に入り、ヴィジュアル性に富んだ様々なポップ&ダンス・ミュージックが凄まじい勢いで流行っては一瞬のうちに廃れていった。
そんな音楽の消費は、90年代になると反動を起こしてオルタナティヴ・ロックやギャングスタ・ラップのムーヴメントに沸く。だが皮肉にも、オルタナティヴやヒップホップが次第にメインストリームとなってしまう逆転現象を生み、あまりにも売れてしまうと、80年代のヘヴィ・メタルが辿った同じ道=終焉の運命へと向かう。そしてゼロ年代を迎える頃にはティーン・アイドルを筆頭とするポップ・ミュージックが再び勢力を拡大……。
そんな流れの中で、ブルース・ブラザースはもう遠い想い出の中に消えようとしていた。70年代後半や80年代前半のことなど、誰も話題にすらしなくなっていた。しかし、水面下でダン・エイクロイドは動いていたのだ。
どうして18年ぶりに続編を作る気になったのかって? レストランバー『ハウス・オブ・ブルース』をオープンさせた時に、そのアトラクションとしてブルース・ブラザースの復活を思いついたんだ。ジェイク(ジョン・ベルーシ)に代わる新パートナーには、弟のジム・ベルーシと20年以上の親友関係にあるジョン・グッドマンが参加してくれた。それに昔のメンバーたちも再結成の話には飛びついてきた。で、ライブをやったら観客の反応が凄かったんだ。
それが映画になるのは当然のこと。前作同様、ダン・エイクロイドとジョン・ランディス監督が脚本を一気に書き上げ、18年ぶりの続編『ブルース・ブラザース2000』(Blues Brothers 2000/1998)はクランクイン。
前作では54台のパトカーを..