「さよならウサギ」という歌

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「あなたはもっと“やるべきこと”をしなきゃ!時間ってあるようでないのよ…」
「あたしササくんがまた歌うのを楽しみにしてるからネ」


最後に会った夜、彼女が僕に言った言葉を憶えている。
奈緒ちゃん、そっちでは歌ってる?映画を撮ってるの?それとも踊ってる?
今から10前の2012年9月29日に彼女はこの世を去った。
44歳だった。
この写真の中で笑うように…「バイバイ!またね!」って。
彼女は僕の恋人だったわけではない。
だけど、出会ったときから“特別な友達”だった。
そして、会えなくなった今も“特別な友達”だと思っている。
2016年の夏、僕は新しい曲を紡いだ。
それは僕が「書いた」のではなく「書かされた」のかもしれない。
きっと彼女が天国で退屈してたのかな?
「そろそろ私のことを歌にしてよね!」とでも言っているかのように。
“特別な友達”、冴島奈緒へ
君が僕に「書かせた」歌、これから大切に唄っていくけん。
僕が色んな街や場所で唄う姿、時々観においでよ。
【冴島奈緒の写真付きで読めるブログ記事】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12005020096.html
【ガンを隠しながらの…彼女の最後となった活動の記事】
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20101214/enn1012141602012-n1.htm
彼女と僕は同い歳だった。
恋人とか“男と女の関係”ではなく、特別な友達だった。
出会って約20年間…互いにそう思っていた。
久々に再会したのは、彼女が旅立つちょうど一年前…2011年の秋。
大きなサングラスに(相変わらず)ブッ飛んだ映画から抜け出してきたような姿で、彼女は待ち合わせ場所に現れた。

「ササくん!ご無沙汰ぁ~!また会えて嬉しいわぁ~!!!」
「結婚したんだよね!パパにもなったんだよね!おめでとう!」


大きな目をいっぱいに見開いて、でっかい口で笑う。
彼女は昔から、人目や世間体を気にすることを無意味だと思っている。
あの頃と同じように日本人離れした(!?)ハグをしてきた彼女の身体は、病魔との闘いで痩せ細っていた…。
「あたし今日はお酒飲まないけど、ササくんは遠慮なくどうぞ!」
その日は、僕も酒を飲まないって決めていた。
二人で食事をし、窓から東京タワーが観える店でコーヒーを飲みながら色んなことを話した。

「あたしたちさぁ!この街で色んなことやってきたわよね!」
「色んなことと闘って、色んなものを追いかけて…馬鹿みたいに誰かを愛したり愛されたり…」


少しずつだけど健康を取り戻しつつあるという話に、僕は心から喜び、それを信じた。
いや…「信じていたかった」というのが本音だった。
そして、オレンジ色の東京タワーを観ながら…色んなことを思い出していた。

「あたしこの街が好きよ!まだまだこれから楽しいことを仕掛けなきゃネ!」
「あなたはもっと“やるべきこと”をしなきゃ!時間ってあるようでないのよ…」
「あたしササくんがまた歌うのを楽しみにしてるからネ」


東京タワーを観ながら…その夜が、彼女との最後になった。
彼女との出会いは、二十代の頃。
酒と煙草とロック…僕も含め“ろくなもんじゃない”輩が集うライブハウスの打ち上げの席だったと思う。
当初、僕は彼女の“世間で知られているイメージ”をあまり知らなかった。
いわゆる “過去の作品”というものを観たことが無いに等しかった。
彼女は好奇心と向上心の塊(かたまり)みたいな存在で、エネルギッシュで、インテリで、とてもお洒落な人だった。
仕事、音楽、芸術、ファッション、会話、ご飯、酒…すべてを自分流に楽しむ女だった。
色んな国や街を旅した話、映画の話、これからの人生の話をする時の彼女は、いつも本当に活き活きとしていた。
愛しいボーフレンドがいたり、結婚をしたり、離婚したり、大人の関係の男がいたり…彼女には色んなパートナーがいたけど、その精神(こころ)はいつも“独り”だった気がする。
それは寂しい“一人”ではなく、誰とも群れない孤高の“独り”という意味で。
彼女と僕は、同じステージで歌ったこともなく、同じベッドに寝たこともなく、同じ趣味を共有していたわけでもない。
だけど、出会ったときから“特別な友達”だった。



2021年9月21日、奈緒ちゃんと同じ病(癌)との闘病の末…天国に旅立っていったファッションデザイナー高原啓(Roen・享年51)がブランド立ち上げた時のコレクションで一緒にモデルの仕事をしたのを憶えている。
それが彼女との唯一の共演だった。
あのとき同じランウェイを歩いた、奈緒ちゃん、山口小夜子さんや川村カオリちゃん…そしてタカちゃんもうこの世にはいない人。
「才能のある人、いい人ほど先に逝く」とはよく言ったもんだ。
彼女が初めての舞台(つかこうへい原作:ストリッパー物語)に挑戦した時、池袋の文芸坐ル・ピリエという小劇場まで観に行った。
そこはかつて浅川マキさんが歌っていた(今はなき)伝説の劇場だったのを憶えている。それもまた、懐かしい思い出。
共演や接点はあまりなかったものの、僕等は時々二人で酒を飲み、映画を観に行ったり、共通の知人のライブを観に行ったりして、会うたびに色んなことを語り合った。
大きな目をいっぱいに見開いて、でっかい口で笑う彼女が大好きだった。

「あたしこの街が好きよ!まだまだこれから楽しいことを仕掛けなきゃネ!」


バイバイ奈緒ちゃん…またそっちの街で会おうヨ。
僕はもう少しこっちに残って“やるべきこと”が何なのか…向き合っていくよ。
そして、君の歌「さよならウサギ」を沢山の人に届けられるように…
僕も歌える限り、精一杯歌うけん!この秋も、また旅が始まるよ。
そっちから見守っててね。
時々は全国色んな街のステージや楽屋に遊びにおいでよ♪



こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。



【歌ものがたり2022 雨ニモマケズ風ニモマケズ】


10月7日(金)兵庫(伊丹)HEAVEN`S KITCHEN伊丹昆陽店
10月8日(土)広島・呉Albatross
10月9日(日)岡山LIVE Cafe ペペの家
10月10日(月・祝)岡山Desperado(Bar side)
10月14日(金)唐津の海賊
10月15日(土)小倉Bar Disa
10月16日(日)大牟田 陽炎
10月21日(金)八戸Bar FLAT
10月22日(土)能代ハックルベリー
10月23日(日)秋田カウンターアクション
10月29日(土)横浜Bar Brixton Market
10月30日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
11月3日(木・祝)群馬・前橋 呑竜横丁 
11月22日(火)札幌SALINAS
11月23日(水)恵庭Mojo Hand 
12月2日(金)大阪 大きな輪
12日3日(土)和歌山OLD TIME
12月4日(日)広島Jammin’ bar
12月10日(土)福岡NIKAI
12月11日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
12月24日(土)福井・あわら市 専念寺
↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12733736025.html


【THE HUNDREDS 佐々木モトアキ×NOBUYAN’ Special Acoustic Live Tour 2022 “Only 2Men-6Days”】
10月1日(土)新潟 Live Bar Mush
10月2日(日)仙台 Cafe de Lucille
12月25日(日)名古屋 ROLLING MAN
↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12748624898.html


【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Autumn/Winter 2022 Japan Tour】
11月10日(木)大分・日田Chewing Gum
11月11日(金)佐賀 雷神 
11月12日(土)福岡・雑餉隈ZASSHO JAM
11月13日(日)熊本・八代7th chord
11月19日(土)札幌Log
11月20日(日)釧路 ガソリンアレイ
11月26日(土)高円寺MOONSTOMP
12月17日(土)埼玉・所沢MOJO
↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12751903088.html



佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。


佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。
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【佐々木モトアキ プロフィール】
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【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
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